『忍びの国』ネタバレ感想~その3~「日置大膳」

2017年07月17日 18:44

本日13回目を観る予定でしたが野暮用ができて行けず(;_;)
『忍びの国』サントラ聴きながら忍んでおります。

今日は日置大膳について…。映画を見て最初に泣いたのがこの信雄と大膳のシーンでした。こういう主従関係に昔から弱いんです。

また激しくネタバレですので下げます。




日置大膳。歴史の教科書では見慣れないお名前。原作者である和田竜さんは愛情を持ってこの人物を描いていらっしゃるように感じます。最初のオリジナル脚本では長野左京亮と大膳の役割が逆になっています。彼らのその後を考えるとこの映画のような描き方に落ち着いたということで、大膳がとてもかっこいい戦国武者になっています。

織田軍シーンと忍びのシーンでは全く違う2本の映画を観ているようでした。伊勢谷雄介さんもその佇まい、声、殺陣とどれをとっても素敵♪

いつも信雄の側に控える林豊前守と小滝新四郎。彼らは元々織田家家臣。長野左京亮が北畠具教に切られそうになった時、このふたりが刀に手を掛けた瞬間日置大膳は抜刀し、北畠具教を切ります。織田家家臣に切られるよりは我が手でという思いだったのだと思うと涙が・・・。

大膳は平気で二君に仕えるような武士ではないんです。それを強いた信雄に激しい恨みを持ってもしかたないこと。苦しい選択だったと思います。

ここで國村隼さん演じる北畠具教がすばらしい!剣の達人でもあり太刀さばきは重厚な時代劇の1シーンのようでした。あのジョン・ウー監督をして「君の眼が欲しい」と言わしめた鋭い目、にやりと笑った時のぞくぞくする男の色気。短いご出演でしたが流石の存在感!

「これより伊勢は織田家のものとなる。おのれも家臣を持つ身ならば、その者でもの安寧のみを考えよ。今後は織田家とともに生きるのだ」
名実ともに信雄の家来となれ、家臣の安寧のために復讐などしてはならない。これで良いのだ、という意味でしょうか。今際の際の主君の言葉。大膳は我を捨てて従うしかなかった。

その後、信雄に心から忠義を誓ったあのシーンはこの映画のクライマックスのひとつ。雄叫び上げる大膳に呼応していく家臣たち。私の最初の涙腺崩壊シーンです。知念侑李くんが信雄をヘタレに演じればこそのカタルシス。忍びとは全く違う死生観。金のためではなく忠義と誇りのために命を掛ける織田軍。本来時代劇ならこちらが主役でしょう。バックに流れるBGMもそのまま「日置大膳」!超かっこいい!!

長野左京亮かと見せかけて幟旗を一斉に変えるシーンも素敵だし、信雄を助けに戻って来るシーンも素敵。この映画でのかっこいい役割を一手に引き受けている感じの日置大膳。

無門を思って泣けて泣けてしかたなかった私は未だにラストを思い出すと泣けてきます。このお話のその後を考えるに無門は決してもう人は殺めていないと思います。人らしい仕事に就いたんじゃないかな。で、それを助けてくれたのが大膳ではないか、なんて妄想すると、無門の晩年は幸せだったと思えて辛さがなくなりました。単なる妄想だけど(笑)

ラストで大膳が「人でなしが人にでもなったつもりか」と笑いながら言いますが、少しは本気でそう思っていたのではないかな。自分に、平兵衛を伊勢に埋めてやってくれと頼んだり、信雄の命を助けたり。ちょっと人でなしでない片鱗が見えましたから。

原作にある『勢州軍記』によると大膳はその後「小牧・長久手の合戦」で信雄の家臣として、家康と共に秀吉と戦っています。合戦後、大膳の戦いぶりに惚れ込んだ家康から家臣にしたいと言われ、信雄は泣く泣く大膳を手放し、大膳は家康の家臣となったといいます。でも理由が分からないけれど大膳はその後まもなく死んだのだそうです。

もしかしたら大膳は「忠臣は二君に仕えず」の言葉どおり家康に仕えることを良しとしなかったために自害したのではないかと妄想しました。彼にとっての唯一の主君は北畠具教。その具教の遺言として信雄に仕えはしました。でもその信雄といつか袂を別ち敵となるであろう家康に仕えることは出来なかったのではないでしょうか。

そんな大膳が世を去る前に、無門親子を家康(あるいはその家臣)に引き合わせていたとしたら。そしてその忍びの術を買われ家臣に加えられたとしたら。無門はしがない忍びでも、その子は徳川の武士として成長したら…。そんなことを妄想しました。やはりあのラストは尾を引くのです。お国が大切にしたふたりの命。それをこの日置大膳によって救われたのなら、私の心の中で物語はハッピーエンド。

写真は映画公開前に大ヒットを祈願して大野神社に奉納した絵馬です♪
大野神社絵馬
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『忍びの国』ネタバレ感想~その2~「下山平兵衛」

2017年07月12日 21:18

暑いです!今日は『忍びの国』12回目を観て来ました。

劇場の入り口にポスターが!!!
えっ、これって「忍びの国 お忍びキャンペーン」でエリア1位になった劇場だけ贈られるスぺシャルポスターではないですか?
見れば「都道府県別1位」ってなっています。私の行く映画館は確かに1位でした。見られると思っていなかったのでびっくりしました。鑑賞前にテンション上がりました。
この「無門、感謝!!」って大野くんの書だと聞いたのですが、事実かどうか未確認。でもそれならこんなに嬉しいプレゼントないですよね。私も劇場に日参してポイントを入れた甲斐がありました。

無門感謝




さて、ここから激しくネタバレ。今日は下山平兵衛について・・・。















何度泣いたことか。無門VS平兵衛の「川」のシーン。

1度目観た時にはアクションにただただ圧倒されて息をすることさえ忘れるほど。確かに監督がおっしゃったようにこれ以上長いと観客がもたない。

何度も観るうちに、ふたりの心の声が聞こえてくるようで泣けて泣けてしかたがなかった。特にBGMが途絶えてからは苦しくなるほど哀しく切なく。

「川」の初めに無門の言う「わかった、わかった」は口先だけで平兵衛の命がけの願いを本当はわかってはいない。凛の命がけの願いを軽んじた無門を見ていた平兵衛も期待はしていなかったのではないでしょうか。

でも「伊勢の者の命を助けて欲しい」と願わずにはいられなかった平兵衛。彼もまた敵は無門でないことはわかっているんです。無門も操られた哀しい下忍でしかないとわかっているし。だから十ニ家評定衆に操られて殺し合わねばならないことにやるせない思いを抱きつつも戦うしかない。しかも絶対的に無門の方が強いことも知っている。人として死ぬために「川」に挑んだのでしょう。

苦無(くない)を交わすうちに、自分より断然弱いと思っていた平兵衛が思いのほか強いことに驚いたと思います。執念が人をここまで強くするのか、なかなかやるなという思いがあの笑みになったのかな。このふたりの表情がすばらしかった。

2本とも苦無を無くし素手で無門の苦無をつかむ平兵衛。この時あたりから無門の心が変わって来たように思います。平兵衛の十二家評定衆への怒りが理解出来たあるいは伝わったように感じました。

自分の苦無と平兵衛の苦無を持つ無門。忍者刀で応戦する平兵衛。この戦いは圧巻でした。刃の当たるカチンという音と共にギリギリという刃をこするような音。日本刀での殺陣とはまた違い見ていてもっと力が入るシーンでした。私の胃の腑までがギリギリするような感覚。

平兵衛の一瞬の隙をついて無門の苦無が平兵衛の腹を横に掻っ捌きます。それも同じところを3度。そしてダンスのように軽やかにターンして両手をクロスさせて平兵衛の体を切り裂きます。このシーンは残酷なはずなのに、とても美しく何度見てもほれぼれするシーンです。最後の力を振り絞って忍者刀の鞘で無門の顔を殴る平兵衛。鞘まで使って最後まで戦う平兵衛の執念に涙が出ました。と同時に、鞘を相手に投げるということはもう刀を鞘に納めることはない、との意思表示。負けを認めたことにもなります。避けない無門。この時の表情がもう全く大野くんじゃないんです。何かを悟った、平兵衛の命がけの願いの意味がわかったそんな無門の顔でした。わかったけれど自分はお前とは違う、そんなようにも見えました。

留めを刺された平兵衛は「これで人として死ねる」と…。「わかったからもう怒るな」と無門。ここで私の何回目かの涙腺崩壊。この「わかった」は平兵衛の怒りを受け止めたということなのだと私は思いました。決して人としての心を取り戻したのではない。牢屋で平兵衛に諭された時に「わかってたまるか」(この時の顔もいい!)と言った時の「わかる」ことととは違う。まだそこまでわかってはいない。心を開放して人の心を取り戻すにはまだこのあとの最も哀しい試練を待たねばなりません。

「こいつを伊勢の地に埋めてやってくれ。かわいそうなやつだ」忍びであり上忍の家の惣領として生まれながら人としての心を捨てられなかった平兵衛を、無門はかわいそうだと言ったのでしょう(※1)。自分のように捨てられれば楽だったろうに…。人として死ぬために信雄の命乞いをした平兵衛のその願いは叶えてやろうとした無門。それと同時に、信雄の首を今はどうでもよいと思うほどに平兵衛と同じく、自分達下忍やお国を危険な目に合わせた十二家評定衆への怒りが湧いて来たのでしょう。

平楽寺に戻って十二家評定衆のひとり森田浄雲を刺し殺すのに使った苦無が平兵衛のものだと知って私はまたここで涙・・・。「わかったからもう怒るな」弟の仇は取ってやる。その答えなのではないかと…。

この無門と平兵衛のシーンには3日間掛けたのだそうです。暑い中での接近戦は大変な緊張があったと思います。実際昨年の今頃のバラエティでは、大野くんが手に小さな絆創膏を貼っていたりしてファンは心配したものでした。スタントマンもほぼ無し、早送りの撮影ではなく逆に早過ぎるからゆっくりと言われるほど。ふたりの表情を見たら「保険(多分台詞で補うこと?」も理屈付けもいらなかったと中村監督がインタビューで言ってらしたように(買った雑誌が多すぎてちょっと出典がわからず。探します※2)ふたりの気持ちははっきりと観る者の胸に刻まれました。説明台詞を排除して、ただただふたりの演技だけで見せた凝縮された数分間。大げさではなく日本映画史に残る名シーンとなったと思います。

熱く、あまりにも熱く語ってしまいました(^^;

※1  これを書いた翌日に鈴木亮平さんがツイッターでこのように述べておられます。



※2  ありました!やはり映画のパンフレット。
川がうまくいかない場合の保険のセリフは、あちこちにちりばめていたんですが、川のシーンがうまく成立したので、そのセリフは編集で切りました。

『忍びの国』ネタバレ感想~その1~「つなぐ」

2017年07月11日 00:16

7月1日、待ちに待った『忍びの国』公開!しかも舞台挨拶のライブビューイングで私の「忍びの国祭り」は始まりました。

第1回目を観終わった直後の感想。いやぁ、面白かった!!期待以上!予告編の遥か上を行く本編!まだご覧になっていないなら是非ご覧ください!最低4回は泣きましたし、あのラストは監督、反則だぁぁぁって思いました。

激しくネタバレのため、ずっと下げます。ブログを書くのは久しぶりなので今のルール分からないけど・・・。












あのラストで私の涙腺は完全崩壊。原作と違う、聞いてないよ~、これは泣くしかないでしょ。

幼い忍びの「ねずみ」の手を引こうとする無門。振りほどく「ねずみ」。
嵐の主題歌「つなぐ」が流れ、とぼとぼ歩く無門と「ねずみ」。
そしていつしか「ねずみ」から無門の手を取る。ここで私は嗚咽して泣いてしまったわけです。

空白の2年の間、無門はどうやって生きて来たのだろう。
お国を失った悲しみからどうやって立ち直ったのだろう。

「決して死んではなりませぬぞ」と言ったお国の言葉通り、後を追いたいような悲しみの中を生き抜いて、お国が助けたかった命を繋ぐために「ねずみ」を助けに来た無門。
生活力の無さを叱られていたから、2年間きっと必死で働いて「ねずみ」を迎えようとしたのではないか。
親の愛を知らない無門が「ねずみ」を育てていくのは相当の覚悟がいったことだろう。
そんなことを想像したら涙が止まらなかった。主題歌「つなぐ」の二番の歌詞がそんな私をいっそう泣かせます。
♪あの時誓った 約束はLOVE♪

極めて映画的な絵になりそうな原作のラストを敢えて変えて、このような希望の持てるラストにしてくれたことに感謝したい気持ちでした。
人は人との温もりと愛がなければ人として育たない。
お国との愛を育むことは出来なかったけれど、「ねずみ」を育てることで無門は人として生きて行くことができる。
ずっと聞いていた山崎努さんのナレーションの人物がこの「ねずみ」であったことも衝撃でした。
1度目では分からなかった伏線。ちゃんと「私の育った・・・」と言っていることを2度目で知りました。
この「私」が誰かを気にしながら観るという楽しみもあったのに、1度目では全くここに気づいていなかったことが残念ですが。

ほんと、ヤラレました。

まだまだ書きたいことはいっぱい。
だって公開から9日間で11回も観たんです(#^.^#)

観る度に新しい発見、新しい感情が沸き起こって。
多分無駄な説明台詞がないからじゃないかな。俳優を信頼しているからこその演出だと思いました。
それに見事応えた大野くん!

「役作りしていない」なんて絶対にない。きっと役作りじゃないのでしょうね。無門がそのまま降りて来たのだと思います。
あそこには大野くんはいなかった。あんな目をした大野くんを見たことないし、あんな慟哭する声を出すなんて信じられなかったし。
何度も何度も台本を読み込んで役を自分のものにしたのだと思います。ファンの贔屓目と笑うなかれ。ジャニーズだと侮るなかれ。

まずラストの感想を書くなんてという感じですが、やはりここが衝撃だったものですから。

日置大膳とのこと、下山平兵衛との死闘のこと、林豊前守のこと、北畠具教、織田信雄、伝吾、利助…etc。ぼちぼち書こうと思います。
忍びの国ポスター

ネタバレ感想『ゴールデンスランバー』

2010年02月01日 11:22

昨年読んだ小説の中で私的にナンバーワンだった伊坂幸太郎氏の『ゴールデンスランバー』。映画公開を楽しみにしていました。

昨日見て来ました!東宝シネマズ二条で午後3時15分の回。超満員の熱気の中、期待感で息苦しくなるくらい。

例によって一緒に行ったのは原作を読んでいない主人。結構この人の隣での反応が気になるので集中できないこともあるのですが、今回は全く存在すら忘れてました(^^;

笑い、憤り、泣き・・・。見終わった後のスッキリした満足感。これは見て損はない映画です!←強調。

原作よりも「ケネディ暗殺」のことを言葉で語り過ぎた感はありますが、原作を読んでいない観客にも理解してもらうためにはしかたないことでしょう。

首相暗殺、というと骨太の政治ドラマを期待してしまうかと思いますが、原作でもそうですが、それはあまり問題ではないような気がします。

バックボーンに「ケネディ暗殺」のことを知っていると余計楽しめると思いますが、知らなくても存分に楽しめる。上質のエンターテインメント映画です。

確かに、一般人が国家権力によって、犯罪者に仕立て上げられる様は怖く、実際に日本でも有り得るのかなと・・・。

過去と現在の切り替え表現も上手く、特にラストは拍手したくなりました。ノスタルジックに若き日を思い出し、過去の恋愛に浸っているのではなく、それら全てが意味を持ってラストへと繋がっていくのは本当に気持ちがよかったです。

外見がかっこよくて政治とは何のかかわりもないような好青年、青柳は堺雅人さんにぴったりでした。

国家権力というものを記号的に演じた香川照之さん、彼はほんとに上手い!『坂の上の雲』の正岡子規も『龍馬伝』の岩崎弥太郎も、彼が演じると俄然息づきます。

キルオ、は私が原作でイメージしていたのとはちょっと違いましたが、濱田岳くんは不気味さを無邪気さ、そして哀しさを感じさせて好演。

大御所の柄本明さんの飄々とした味のある演技も笑いと感動をさそいます。

数え上げたら書ききれないくらい、全ての役者さんがピッタリとこの映画の住人として収まっていました。

青柳に会わずに彼を助け出す彼らの陰の結束。その人情が温かい。誰もが青柳を信じていることが、この世知辛い世の中で救われた気持ちになります。

特に私が好きだったのは、伊東四朗さん演じる青柳の父親。原作を読んだ時から好きだったのですが、伊藤さんは完璧でした。私はここはマスコミへの痛烈な批判だと思っているのですが、ここ、スカッとしました。笑いながら泣けて泣けて・・・。

ひとつ、聞きたいなと思ったのは、何故原作通りに「大統領」ではなく「首相」にしたのかということ。やっぱりややこしいからかな?

全国東宝系、およびシネコンで絶賛公開中!

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『アマルフィ 女神の報酬』ちょいネタバレかな~な感想

2009年07月28日 16:57



先週末、観て参りました。『アマルフィ 女神の報酬』。


あまりネタバレはしてないつもりですが、以下はこれからご覧になられる方は読まないで下さいませ。








踊る大捜査線ファンとしてはめっちゃ嫉妬しました。めっちゃ寂しくなりました。あぁ、今の織田裕二さんなら、青島くんよりもこの黒田書記官がお似合いね・・・。

フジテレビらしい映画の宣伝の数々で、観る前から観たような気になってしまっていましたが、期待を決して裏切らない出来でした。もっと観光地を前面に出して、下手したら2時間ドラマのタイアップ番組みたいになっているのかと危惧していましたが、全くそんなことはなかったです。

世界遺産の数々は確かに美しく目を奪われましたが、「サンタンジェロ城」と「アマルフィ」以外は贅沢な利用の仕方で、決して観光映画でない上質なサスペンス&ヒューマン映画に仕上がっています。

スペイン階段の使い方も贅沢だなぁ。風景ではなく主人公をずっと追って撮っていて、そこにしっかり溶け込んでいるんです。やっぱり天海祐希さんも織田さんも大階段が似合う♪

世界遺産「アマルフィ」をもっと知りたいならこのサイトが如何でしょう。
映画で世界遺産4 アマルフィ 女神の報酬


どこの場面でもそうですが、日本人でこの風景に負けないのは流石。紗江子の寂しさを出すにはもっと儚い女優さんの方が、なんて思っていましたが、観ているうちにこの映画には天海さんの紗江子でないと成立しない、とまで思いました。

強がりなのか煙草を吸うシーンがカッコイイ。そしてその煙草をやめるシーンもまたいい。改めて煙草っていいアイテムだなと思います。黒田の手袋。紗江子の煙草。この2つのアイテムがとっても印象に残りました。

織田さんは30歳前にして青島俊作という役に出会い、踊る大捜査線が代表作と言われるようになりました。そして40歳でこの外交官黒田康作に出会い、これからの10年はきっとこの黒田として私たちを楽しませてくれるのでしょう。今回の『アマルフィ』はその序章に過ぎないのだと感じました。ウルグアイでの黒田書記官の活躍も是非観たくなって来ています。『OD3』よりも・・・。それが寂しいな。


福山雅治さんは出番は少ないですが、とってもいい感じで織田さんと絡んでいます。この二人のツーショットって、ちょっとヨダレもんですよね。かつての「抱かれたい男」ナンバー1の二人ですもん。このおふたりに佐藤浩市さんの三人とオフにランチだなんて、天海さんが羨ましい。ってか、天海さんがそこに加わってハンサムさんが4人(笑)っていう画(え)が凄い!ゴージャスですよね~。
物語としては、結構突っ込みどころが多いんです。疑問に思う点も多々あり(笑)。そこは真保裕一さんの原作(今回は原作といえるのかどうか?)で補完したいと思っています。

終盤、黒装束をかなぐり捨てて正装に身を包み突撃する際に、サラ・ブライトマンの「Time to Say Goodbye」のイントロが流れたときには背筋がゾクっとしました。

ポスターの佐藤浩市さんのお写真だけは『マジック・アワー』の時のものだそうです。色を微妙に変えてあるからあまり気になりませんけれど、知った時には大爆笑でした。

その情報は先週放送された『トリビアの泉 映画「アマルフィ 女神の報酬」で久しぶりに「へぇ」SP』で知りました。この番組、他のメイキングではしることのできない情報満載、まさにトリビア。映画鑑賞前に観ていたので、ちょっと気になる人を発見し、謎を解くひとつのヒントを知ってしまいました(^^;せっかく録画していたのに観終わったあと消してしまったので、DVDの特典映像に是非是非入れて欲しいです!これから放送の地域もありますので、『アマルフィ』ファンの方は是非ご覧になって下さい。出来れば映画を観てからね。

『トリビアの泉 映画「アマルフィ 女神の報酬」で久しぶりに「へぇ」SP』これからまだ間に合う局
 

仙台放送 7/29(水) 26:18~27:13
さくらんぼテレビ 7/31(金) 14:05~15:00
長野放送 8/1(土) 10:45~11:40
富山テレビ 7/28(火) 24:40~25:35
岡山放送 7/28(火) 24:35~25:40
山陰中央テレビ 8/2(日) 16:30~17:25
高知さんさんテレビ 8/2(日) 16:00~16:55
サガテレビ 8/2(日) 13:00~13:55
 鹿児島テレビ 8/1(土) 14:30~15:25
テレビ大分 8/2(日) 14:00~14:55




『天使と悪魔』を観てから、『天使と悪魔』原作を読み、ついでに同じ作者の『パズル・パレス』を読み、映画『ハゲタカ』を観てその原作『レッド・ゾーン』を読み、ドラマ『官僚たちの夏』に嵌って、高校生の時に読んだ原作を昨日読み直し終えました。っで、明日から『アマルフィ』原作に着手。

映画も面白いし、小説も面白い。今年は映画、小説とも当たり年だと思っています♪あ、『レッド・ゾーン』は映画と全く違います。っでそれぞれがいい!また感想を書けたら書いてみたいです。今クール、観てるドラマが『官僚たちの夏』と『天地人』しかないので本が読めていいかなぁ。

ネタバレ映画『ハゲタカ』

2009年06月21日 01:24

ハゲタカ

先週観ると公言しながら予定が狂ってしまい、『ハゲタカ』(音が出ますのでご注意下さい)を渇望していたこの一週間。やっと観ることが出来ました。

ここから下はこれまた超ネタバレですのでご注意下さい。








鷲津政彦(大森南朋)に恋焦がれ、骨太の経済ドラマを堪能した2年前のNHKドラマを越える面白さでした。観た感動冷めやらぬままこうやって珍しく夜にパソコンを起動して感想を書いていることからも私の満足ぶりが分っていただけると思います。

ドラマに比べて経済物としては少し物足りないところもありました。スタンリー・ブラザースに鷲津がTOBを掛けた時に先が読めてしまった。西野治(松田龍平)をその仲介に立てるというのもあまりにも説明不足というか無茶苦茶な話だというのはちょっとした欠点。でもそんなことを補って余りある出来栄えの映画でした。

まずオープニングの中国農村の風景と、そこに流れるBGMがいい。ここでまずグッと映画にひきつけられます。とにかくこの映画は、物語の面白さ、キャストの魅力もさることながら、音楽が良く、映画の監督が初めてとは思えないほど大友啓史監督の「絵」がいい。印象に残るシーンがいくつもあります。これはテレビドラマでは表現できない、映画ならではのものだと身を乗り出して見てしまいました。マンダリン・オリエンタルホテルから東京を見下ろす劉一華(玉山鉄二)のシルエット。暗い部屋で出ない相手に携帯電話をかける鷲津の姿。「フィルム・ノワールだ・・・」とうっとりとつぶやいてしまいました。

劉一華役の玉山鉄二さん。今回また女性ファンを増やしたことでしょう。『天地人』での切なく美しい武将・上杉景虎にも惚れ惚れしましたが、この劉の哀しさ、儚さは女ごころにズギュンと来るものがあります。これはテレビでの鷲津に感じたのと同じ想い。「私はあなただ」鷲津と劉が重なり合います。

『ハゲタカ』『ハゲタカII』は読んだものの、今回のベースになっている『レッド・ゾーン』は全く読んでいないので、この劉がどういう人物なのか映画だけではわかりません。劉一華とは本当は別の人物で、ここにいる劉は母親が自分の血を売って作ったニセのパスポートで中国戦災孤児3世として少年時代に来日し、どういう経緯かはわからないけれど、アメリカに渡って鷲津と同じ「ホライズン」で働いていた中国人。過去について明かされているのはこれだけ。

オープニングで、憧れの目で初代の「アカマGT」を見ていた少年。アカマ自動車の派遣工・守山翔(高良健吾)に過去の自分を見るような劉の表情。叩き付けられた400万円の札を這いずり回って拾えと言う劉。刺され、泥にまみれながらもばら撒かれたお金を拾い集める劉。これらから私が見つけた劉一華のサイドストーリーは、あまりにも切なく哀しいものでした。

中国の黄土色の大地の中を疾走する赤い「アカマGT」を見た少年は、あの車に乗り、あの車を作り、あの車に自分の将来の夢を託したのです。母親の理解もあって、なんとか夢の車を作る日本にやって来た少年は、残留孤児3世という差別と戦いながら、いつか「アカマ自動車」に乗りたい、「アカマGT」を作りたいと願ったことでしょう。

しかし、人種的な差別からか彼はアカマ自動車に勤めることは出来なかった。そこからアメリカのホライズンにどうやって入り込んだのか、ここには想像できないような苦労があったでしょう。それこそ比喩ではなく地べたを這いずり回って、何度も地獄を見たことでしょう。

彼は守山に過去の自分を見ました。警戒心が強いくせに貰えるものは何でも貰う。守山に関心を持ったのはただ派遣工を利用したかったからだけではなかったでしょう。守山も少しは気骨のある青年でした。気骨があるが故にアカマ自動車の社長からは切られかけた。他の派遣工が正社員への道が切り開かれても守山にはその道が断たれることを知った劉は彼に400万円を与えた。ここのシーンも圧巻でした。蔑むように金を与える劉。それに反抗して金をたたき返す守山。「拾え!」という命令も最初は勝者の驕りのように捉えてしまった守山。見ている私もそんな風に思えました。でも執拗に自分もはいつくばって一万円札を拾おうとする劉の姿に、これは違うと思うと胸があつくなります。金を粗末にするな、自分はこうやってここまで来たんだ。それは劉の悲しい生い立ちを想像させて哀しく切ないものでした。

守山にもその気持ちが通じたのでしょう。這いつくばって全ての金を拾う守山。その後、証券会社の株式ボードに見入る守山のシーンがあります。ここで誰もが想像することでしょう。彼もまたこのお金を元手に劉のように野望を持って飢えたハゲタカのようになって行くのではないだろうかと。企業の人事部ではなく調達部で調達されて来るような派遣工だった彼が自分の努力で人生を切り開いて行くのではないかと期待するのです。

でも彼はそうしなかった。最後の方のシーンで、最新式の真っ赤な「アカマGT」を満足げに駆る守山。あぁ・・・。劉と守山は決定的に違うのでした。映画の最初のシーンで劉は言います。「日本は生ぬるい地獄だ」と。このことばに見事にリンクします。このシーンは特に示唆的でした。昨年末の派遣切り、それに対する偽善的とも取れるような一部の行動、マスコミのはしゃぎ方。本当の飢えと貧困の恐ろしさを知らない日本人は、あぶく銭で目先の享楽に溺れるのです。これは思い切った演出だと思いました。でもその反面、劉はまた、テレビキャスターの三島由香(栗山千明)に、現実をありのまま報道することを強います。同じ地獄を見て来たもの同志として。彼女は今後派遣の現状を世に訴え続けるでしょう。これもまた今の日本の現状なのです。どちらにも偏らないのはいい子ぶっているようにも思えますが、これはまたNHKがずっとスペシャル番組を通じて取材した膨大な量の真実なのだと思います。

掃き溜めのような村で生まれ育った劉。冨を得、これからもっと上を目指そうとしている時に、東京の中の掃き溜めのような場所で絶命する劉。短く激しく生きた劉の人生を思い涙が出そうでした。

「赤いハゲタカ」劉一華の登場で、我が愛しの鷲津政彦が少しかすんでしまった感がありましたが、やはり私は鷲津が好き♪

最初、眼鏡を外し海辺で寛いでいる鷲津を見た時には、なぜか『Dr.コトー診療所』を思い出してしまいましたが、大森南朋さんもほんと、いい役者さんです。髪を整え、眼鏡をかけ、スリーピースのベストを着ると、かっちょええ鷲津の出来上がりぃ(笑)。やっぱスーツって戦闘服よね。アラビア語を操る鷲津っていうのも素敵です。

彼の台詞のそこここに、今の経済の現状が見えます。70億も報酬としてもらっている金融トップ。会社を破綻させても彼らは逃げるだけ。経費節約を声高に唱え、温情のないコストカット。「アカマ自動車は日本国そのものだ」という言葉にはなにやら日本というよりも、アメリカとGMとの関係を想像してしまいます。企業再生の道は厳しい。

1989年にベルリンの壁が崩壊し1991年にソ連が崩壊して、社会主義がほぼ消滅したと看做されてから約20年経った今、資本主義もまた変容を余儀なくされています。「これからどこへ行く?」と尋ねる芝野(柴田恭平)に対し「資本主義の焼け野原を見に行く」と答える鷲津。まるで錬金術のような金融工学がペテンにしか思えなくなった今、鷲津はその焼け野原から何を生み出そうとするのでしょうか?彼は救世主なのか、それとも破壊者なのか・・・。

最後になりましたけど、映画『ハゲタカ』のBGMは全て素晴らしかったです。中でもドラマのエンディング曲でもあった「ROAD TO REBIRTH~a chainless soul~」、このフルバージョンに痺れる痺れる。エンディングはあっさりと黒いバックに名前なんかがあがって行くだけなのですが、これを聞きたいために最後まで座ってました。結構そういう人が多かったみたい。でも調べたら、サントラに全部入ってないんですよね。ちょっとマーチっぽいアレンジでホントに素敵な曲なのに。

さて、ではアマゾンでポチっとしたので、明後日には原作『レッド・ゾーン』とサントラが届くことでしょう。本当ならばもうあと2回は見たいです。お薦め!

ネタバレ『天使と悪魔』

2009年06月09日 16:24

天使と悪魔


先週土曜日、やっと観て来ました『天使と悪魔』!観終わった後、素直に「いやぁ~、面白かったわ~」と言える映画でした。

本当はダン・ブラウンの原作を全部読んでから観る予定だったのですが、文庫版の「中巻」を読み終えたところで時間切れ。「下巻」を残しての鑑賞となりました。

結果としては、これでよかったと思います。この映画もまた映画を観てから原作を読んだほうが楽しめるのではないかと。映画を観終わった興奮冷めらやぬうちに「下巻」を一気に読破し、満足感が数倍にもなりました。

では、ここから先は映画も小説も超ネタバレとなりますので、ご注意下さいませ。









小説のあのボリュームをどうやって2時間ほどに収めるのか?しょっぱなから原作とは違っていました。最初の犠牲者になるのはヒロイン・ヴィットリアの養父ではなく、セルン(欧州原子核研究機構)の同僚。原作では3分の1ほどを締めていたセルンの説明はほとんどなく、なのでセルン所長のマクシミリアン・コーラーも出てこなければ、ヴィットリアと養父とのエピソードもばっさり切られています。原作を読んだ時に、お話の始まりがヒロインの家族の死であることとがあまりにも『ダ・ヴィンチ・コード』に似ていてデジャヴを感じたので、私はこの映画の処理に対しては大いに賛同出来ました。この方がスッキリしています。

原作との違いを言えば、映画ではジェンダルメリア(国家憲兵隊みたいな警察?フランスではジャンダルムリー)警部になっている「オリヴェッティ」は原作ではスイス衛兵隊隊長ですし、映画でスイス衛兵隊隊長の「リヒター」は原作にはないオリジナルキャストです。オリジナルと言っても、このリヒターには原作の何役もの仕事を課しています。原作でのオリヴェッティやコーラー所長などがこのリヒターにあてられています。またコーラー所長にあてられたある部分は、シュトラウス枢機卿(原作ではモルターティ枢機卿)に見え隠れしているように思いました。

「カメルレンゴ」という役職名でずっと呼ばれる「パトリック・マッケンナ」も、原作での名前は「カルロ・ヴェントレスカ」です。このように名前が変えてあるのは、俳優さんがイタリア語を母国語とするものでないからだと思います。日本人の私が聞いてもイタリア訛りの英語かどうか分らないですが、アメリカ映画なのでこれはしかたないことなのでしょう。シュトラウス枢機卿役のアーミン・ミュラースタールはドイツ出身、カメルレンゴ役のユアン・マクレガーはスコットランド出身です。

グタグタとこんなことから書いてしまっていますが、とにかく映画はハラハラドキドキの連続。原作で展開を知っていても画面に釘付けになります。2時間18分があっという間でした。

『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』でオビ=ワン・ケノービ役を演じたユアン・マクレガーの「カメルレンゴ」がカッコイイの♪祭服も一種の制服。どこまでも制服に弱い私・・・。原作を読んだ時から「カメルレンゴ」がアヤシイとずっと思っていたのですが、映画の初っ端にこの人を見て、カッコイイから絶対にアヤシイ、と確信いたしました

ずっと冷静なカメルレンゴが「イルミナティだ!」とある人物を指して(原作ではロシェ副隊長なのですが、映画では枢機卿のひとり?)ヒステリックに叫んだシーンで、「ほらぁね!」みんなは騙せても私は騙されないわと。なのにそう思っていたら、「反物質」を抱えてヘリコプターで空に向って行く。ええ~!?違うの~?

このシーンがとてつもなく残酷で美しいんです。筆舌に尽くせないというのはこのことです。これは映画でないと味わえない醍醐味です。「反物資」が天空で爆発し、空が割れるような様は、まるで一幅の宗教画を見ているようでした。そうあの「システィナ礼拝堂」の「最後の審判」のような。このシーンだけでも何度もみたい。このシーンを感動で観るためにも原作を先に読んではいけない。そう思いました。

命を賭してヴァチカンを守ろうとしたカメルレンゴ。より高みへ高みへとヘリを操縦して昇っていくのは、爆発からヴァチカンと人々を守ろうとするだけではなく、孤児だった自分を教育し愛を与えてくれた前教皇や神のおわす天空に、少しでも近づきたいから。天地創造をも科学の力でなしえるのだという傲慢な人間達が作ってしまった悪魔の物質を清い心で浄化しようとするカメルレンゴの姿に涙してしまいました。あぁ、私の疑いは間違いだったのね・・・。

ところが、ところがですよ。なんとカメルレンゴはパラシュートに乗り、地上へと降り立ったのです!それを歓喜のどよめきで迎える広場の人たち。あぁ、やっぱり、あなたは犯人なのね、カメルレンゴ。

コンクラーベに参加している枢機卿も(シュトラウス枢機卿を除く)、主人公ラングドンも、神の奇跡を信じ、陶酔するのです。っが、やはりここで終わりません。


原作を読んでから映画を見た方には少し物足りないところもあると思います。実際、映画を見てから原作を最後まで見た私は、先に原作を読んでたらここはどうしても描いて欲しかったという箇所もいくつもありました。

特にそれを感じたのは、「動機」です。前の教皇が科学と手を結ぼうとしていたから、だけでは弱いなぁと映画を見て思っていました。また、映画では4人目の枢機卿はラングドンによって命を助けられます(ここのシーンもめっちゃ好き。泣きました。)。そしてこの枢機卿が教皇になるのですが、一連の事件を全く知らされていない一般人は「サン・ピエトロ大聖堂で火災。有力候補の枢機卿3名とカメルレンゴが死亡」なんて納得するでしょうか?この教皇にはずっと新たな陰謀説が付き纏うことでしょう。

この辺りを原作はもう少し納得のいくものにしています。そして、その「動機」とその結末に私はまた泣かされました。

『天使と悪魔』のテーマは「宗教と科学の対立」。ガリレオの地動説にまで遡らずとも、今現代もそれは相いれないところがまだまだあります。 iPS細胞、遺伝子組替食品。無心論者の私でもこれはどうか、と思うことが多々あります。宗教にはうとくとも、人として、人の倫理を持って科学の暴走を見張ることは必要だと感じています。

最後に、この『天使と悪魔』はあくまでもフィクションです。『ダ・ヴィンチ・コード』でも様々な論争があったようですが、あまたの薀蓄、陰謀、謎解き、上質のエンターテインメントとして楽しむべきものであると思っています。
日本にも沢山あるではないですか。義経は生きていてジンギスカンになっただの、徳川埋蔵金だの、M資金だの・・・。冒険譚のネタとして夢があっていいのではないでしょうか?

ダン・ブラウンの次回作に早くも期待してしまいます。

『容疑者Xの献身』感想

2008年10月06日 13:43

10月4日(土)に放送された ガリレオΦ(エピソードゼロ)があまりにも面白かったので、来週行く予定だった映画『容疑者Xの献身』を前倒しで昨日観ました。


『ガリレオΦ』のラストからそのまま続いているオープニングもいい感じ。
「原作あと読み注意報」を発令しておきます。絶対に映画を先に観た方がいいです!映画が良くないっていうのではなく、映画だけ観てもかなり完成度は高いと思います。ただあの原作を映像化するのはかなり難しいだろうなと思っていたので、衝撃のラストをまず映画で味わって、それから是非原作で補完して欲しいなと思ったのです。


明日映画を観にいくと言う娘が、原作を3分の一ほど読んだところだったので、取り上げました(笑)。その代わりに、まだ原作を読んでいなかったために、映画で大感動した主人が今読んでいます。息子は先に原作を読んでしまっているので、映画を観たらどんな感想を話してくれるのか楽しみ。家族そろって同じ映画を観、同じ小説を読んだのはこの『容疑者Xの献身』が初めてです。我が家でのポイント、かなり高い!


映画を観る、原作を読む、全てを知ってもう一度映画を観る。これが『容疑者Xの献身』の正しい観方だと思います(^^)V


堤真一さんと松雪泰子さんのラストが素晴らしかった。松雪さんは原作の主人公にぴったりだと、キャストの発表があった時から思っていましたが、『きらきらひかる』の刑事役のクールな女もいいですが、か細いラインがこの役に合っています。


堤さんはいつも寝起きのような腫れた目元、白髪混じりのぼさぼさの髪。それでもかっこよさは隠せず、原作のイメージとは違っているのですが、彼じゃなければこの映画は成立しなかったんじゃないかと思うような好演でした。ドラマ『やまとなでしこ』でも天才的な数学者となるところを家庭の事情で挫折したという役だったし、映画の京極堂役もこなせるし、天才的でちょっと風変わりな役は彼に合っているのかなぁ、なんて考えながら観てました。でも、『ローレライ』の朝倉良橘役やドラマ『GOOD LUCK!!』での香田一樹役などの非情なエリートっていうのもいいし、魅力的な俳優さんだなぁと、つくづく。


福山雅治さんは若い!!女性なら黒木瞳さんの若さをいい意味で「化け物だ!」と思っているのですが、黒木瞳さんの男性版って感じですね~。細身のコートに惚れ惚れ。雪山のシーンでは口元だけ見てたら女性かと思ってしまうほど。壁に凭れて眠っているシーンは、ファンへのサービスショットでしょう。いやぁ、このお年でこのかわいさはちょっと罪だと思いました←完全にオバちゃん目線。


ドラマでは出番が少なかった草薙俊平役の北村一輝さんの出番も多くてこれは嬉しかったです。もともとは湯川と草薙のコンビですからね。とはいえ、柴崎コウさん演じる内海薫の存在はドラマからずっと見ているガリレオファンには大きいです。ドラマの最終回のラストはちょっと「?」でしたが、そんなこともなかったかのような『ガリレオφ』と『容疑者Xの献身』での湯川と薫の関係。やっぱこうでなくっちゃ。


エンディング曲「最愛」も心に沁みます。そして「最愛」が流れた後、待ってました「vs.~知覚と快楽の螺旋~」!あぁ、ほんとうに「おもしろい。実におもしろい」



覚書

『ガリレオΦ』は近々単行本で発売される予定だと番組の終わりに紹介されていました。っで調べましたがまだ情報はありません。
ここで描かれたエピソードはエンディングによると「落下る(おちる)」(「オール讀物」2006年9月号 ザ・ベストミステリーズ2007所収)と「操縦る(あやつる)」(「別冊文藝春秋」2008年3月号)。
三浦春馬くん、後姿や動きが福山ガリレオにそっくりでびっくりでした。

ネタバレ注意『ザ・マジックアワー』

2008年06月08日 02:55

三谷幸喜監督の熱い熱い、暑苦しいまでの宣伝に後押しされるように初日に見てきました、『ザ・マジックアワー

監督作品の中で一番笑えて泣けました。見終わった後に、またすぐに見たくなるほど面白かった。普通は二度映画を見ない主人までもが明日もう一度見てもいい、なんていうくらいですから。ハンカチ持ったまま映画館で笑いすぎて涙が出たのは多分私の記憶では初めてのことです。世知辛い世の中の憂さをしばし忘れて、思いっきり笑いたい方には絶対にお薦めです!

ここからはネタバレになるかなぁ。やっぱり下げた方がいいでしょうね。ということで以下ネタバレにつき下げます。








何度もテレビのインタビューで見たWコーチャンこと三谷幸喜さんと佐藤浩市さん。その佐藤浩市さんの演技とそれを受ける周りの役者陣の演技で成り立っている計算しつくされた笑い。佐藤さんが真面目に演じれば演じるほどおかしい。佐藤浩市さんが特別に変なことをしているわけではないと思うんです。確かにあの狂気の表情や仮面を剥がす時のヘン顔はそれだけでも笑えるのですが、それを受ける西田敏行さん、香川照之さんの反応でそのおかしさが何倍にも増幅される、そんな感じ。だからずっと笑いっぱなしでした。

ちょっと時代掛かった村田大樹の演技ですが、これもコメディ映画だと思わずに、Vシネマとか周りもそれなりの演技だったら成立するものだと思うのですが、受ける側がそういう思いで演じてないからその空回り具合がとにかく笑える。脇を固める役者さんも特別におかしなことをしようとしてないのが余計におかしいんです。

『相棒-劇場版-』に続いて、西田敏行さんがいい!重厚なセットの中で、あの『ゴッドファーザー』のマーロンブラントを彷彿とさせる表情とラストの表情とのギャップ。この人じゃなかったらここまでおかしくなかったんじゃないかな?最初に村田大樹に会った時のあっけに取られたような顔が絶品で、これで掴みは完全にOK。ここから一気に笑いの世界に入って行きました。

そしてマネジャー役の小日向さんがまたいい。私は小日向さんはこういう人の良い役が好きです。役者・村田大樹に振り回されながらも「一番のファンなんです」という台詞にほろっとさせられました。

勿論主役の佐藤浩市さんは新境地開拓。でもやっぱり二枚目ですよ。コメディアンではないの。映画館で自分の姿を大きく映し出されたスクリーンを見て涙する姿に、私も思わず貰い泣き。ずっと笑っていたのに、そこにちょこっとスパイスのように涙を誘うシーンがあって、私のハンカチを持つ手は忙しく動いていました。

過去の数々の映画へのオマージュ、一世を風靡しながら今はもうあまり作られることのなくなってしまったコメディ映画や映画に携わるスタッフさんへの三谷監督の愛情が溢れていて、こっちまで暖かい気持ちになります。こんな台本を書ける三谷さんってどんな頭の中をしてるんだろう?柳澤慎一さんと谷原章介さんが似てるなんていつごろから気付いていたのだろう?

三谷作品には欠かせない役者さんのオンパレード。パンフレットにも名前がない香取慎吾くんはサプライズでした。もしかしたら『THE 有頂天ホテル』の役のままの設定かな?

妻夫木聡さん、深津絵里さん、綾瀬はるかさん、戸田恵子さん、伊吹吾郎さん、寺島進さん、浅野和之さん、皆さん本当に素晴らしい。深津絵里さんの歌が結構良くってびっくり!

踊る大捜査線ファン的には深津絵里さん、寺島進さん、甲本雅裕さん、小野武彦さん、近藤芳正さんに注目。小野さんも凄いコメディセンスの持ち主なのに今回は封印されていて真面目な役だったのが逆に新鮮でした(笑)。警察署長っていうのがいい。ちょこっと『カサブランカ』みたいにならないかなと期待したのですが。

コメディー映画のの感想ってむずかしい。書いていて感想を書くなんて野暮っていう気もします。とにかく見て下さ~い。見て絶対にソンはしません!

「マジックアワー」人生に例えると私も今そんな年になったなぁという感慨も深く、それでも明日もまた「マジックアワー」は訪れるって言われると、まだまだ希望も夢も持ち続けていたいって思います。

三谷監督、素敵な作品をありがとう。そしてまだまだ暑苦しいくらいにテレビに出て宣伝しつづけて下さい。


めっちゃ余談ですが、パンフレットを買う時に「ラッシュアワーのパンフを下さい」って言ってしまったバカな私。「ザ・マジックアワーでしょうか?」と言われて恥ずかしかったわ~。映画を見て笑う前に笑われてしまいました(^^;これでも結構カッコつけて生きてるつもりなんですけど・・・。

「踊る大捜査線」と「三谷幸喜作品」のマニアックなキャスト考察はこちらをご覧になって下さいませ。

踊る新選組!

三谷幸喜作品と踊る大捜査線

ちょいネタバレ、『チーム・バチスタの栄光』

2008年02月12日 12:20

ネタバレ注意です!犯人は明かしませんが・・・。




昨日、見て来ました、『チーム・バチスタの栄光』
原作がかなり面白く、主人公のひとり「白鳥圭輔」のファンになったので、ワクワクしながら上演を待ちました。

最初のシーンで大変なことを思い出しました。私、血が怖いんだった・・・
テレビの『医龍』も手術シーンは目を閉じていたのだったわ。
でも、原作を読んでいるし展開がわかっているから大丈夫だと思っていたのですが、初っ端のちょっと患者目線(しかも・・・)なシーンで体が固まってしまいました。
血液恐怖症、閉所恐怖症の方はご注意下さいませ。

しかも原作でもそうなのですが、白鳥氏がなかなか出て来ない。田口医師(竹内結子さん)と藤原看護師(野際陽子さん)の台詞の応酬なんかももう少しあれば、あるいは桐生医師役が違っていれば、そしてもう少しBGMがあれば、etc・・・もう少し画面に集中出来たのですが、なんとなく地味。

音楽に関しては、パンフレットを読むと音楽担当の佐藤直紀さんの弁に「音楽をあまり感じさせない作りにしています」というのがあるので、現実の手術室に近い雰囲気にされたのだというのがわかるのですが、たぶん『医龍』の方が手術シーンに関してはリアルだったのに、こちらの方が緊張感があって、それはエンタテインメントとしてどうなのだろう、と思いました。

ま、要するに「おもしろかった!」と言えないのは私の映画の好みと違ったというのが一番の原因です。

ほぼ病院だけで完結してしまうお話なので、それぞれの役者さんのキャラが一番重要になります。その点ではどの俳優さんも良かった。それぞれが、その役者さんの固定されたキャラをオーバーに演じているようで、手術室で手術衣を着てマスクをしていても、ちゃんと性格がわかるし、少ない出番でもその人物がわかるような気にさせてくれます。特に「平泉成さん」は彼を物まねする芸人さんみたいに「平泉成」なんです。そしてそれが原作の黒崎教授にぴったり合ってる。

阿部寛さんは、ほんと、そのまんま白鳥圭輔。こういう頭の良い変人キャラを演じたら、今日本で一番じゃないでしょうか(笑)。
私ってどうもこの手の男性が好きみたい。但し恋人とか夫としてはダメですけど。
京極夏彦氏のシリーズでも私は「榎木津礼次郎」が大好きなんですが、この役も阿部寛さんですしね。
残念ながら『魍魎の匣』は劇場でまだ観ていません。観る予定もしてないのです。第一作目の『姑獲鳥の夏』をDVDで観たのですが、実相寺監督のカメラワークに酔いそうになって、今回監督が変わったので大丈夫かな、とは思うのですが、私の柔な精神が(笑)、暗い閉塞感漂う劇場では自然でいられないかもしれないので、これまたDVDが出てから観ることにしたいと思います。榎木津LOVEなんで、彼には会いたいし・・・。

田口&白鳥コンビの映画はまだ続いてくれるかなぁ。原作ファンの間では第二作目の『ナイチンゲールの沈黙』は不評みたいなのですが、私は面白く読みました。また白鳥圭輔には会いたいなぁ。