『ファントム』

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お友達のKさんからDVDをお借りして、昨日やっと『ファントム』を観ました!
観たい観たいと思っていたのに、体調が良くなくて宝塚大劇場には行けなかったのでこんなに早く観られてまず感激!
春野寿美礼さんのファントムの妖しさと美しさにヤラレました。「ファントム」が美しくてはアカンやろ、というご批判は甘受するとして、やはりこれは宝塚が描く『オペラ座の怪人』ですから私はこれでいいと思います。このあたりの感想は後でじっくり書くとして…。

劇団四季の『オペラ座の怪人』は観ていましたが、やはり私はストーリーもセットの豪華さも宝塚の方が好きです。因みに映画の『オペラの怪人』も観た「怪人好き」の娘はストーリーは劇団四季の方が好きだと申しますので、これは好みの問題だと思います。宝塚の方が、男女の愛よりも、父と子の愛情を描いたものであるから私は好きなのかもしれません。今回初めて春野さんの相手役となった桜乃彩音さん演じるクリスティーヌとのシーンよりも、父親役の二番手彩吹真央さんとのシーンの方が印象的でした。

とは言え、彩音ちゃん、綺麗!歌も上手い!春野さんを憬れて頼り切っている表情に自分を見ているようでなんだかキュンとなります。高音がややキンキンするのですが、トップ娘役デビュー作としては完璧なのではと思いました。

この作品は以前に宙組で演じられたものの再演で、ファントム役の和央ようかさんの評価がとても高かったのですが、幸か不幸か私は観ていないので、春野ファントムにどっぷり浸ることが出来ました。歌の上手さでは定評のある春野さんですが、今回もまたその伸びやかな声に魅了されました。彼女が歌うと舞台の空気が変わるのです。それはこんなDVDでも十分に伝わって来ます。

圧巻だったのは、銀橋での春野エリック(ファントム)と彩吹キャリエール(父親)との掛け合い。父であることを苦しそうに打ち明けるキャリエールに対し、エリックは「そんなことは知っていた」と微笑むのです。微笑みながら涙を流しているような演技に(日によっては本当に泣いているそうです)、感極まってしまいました。何年も何年も父を恨み、己の不幸を恨み、それが全て昇華したからこそ微笑むことが出来るのでしょう。その哀しげな微笑が愛しくて…。様々な想いを超越したところで父を愛し、それでも全てを許しきることは出来なかったようにも思えました。許しきれなかったからこそ、命を絶つ時に父に撃たれることを望んだエリック。そして父であるキャリエールは、生け捕りにされて人目に晒す屈辱を息子に与えることよりも、自ら殺すことによって贖罪しようとしたのではないでしょうか。一生我が子を殺してしまった罪を背追って生きていくことを選んだ父親。ラストを知ってからまたざっと見直したのですが、彩吹キャリエールの顔には常に深き愛情と息子を見捨てたことの苦悩が満ちていて、ラストを予感させるものが伏線としてずっとあったことに気づかされます。

エリックは純粋でそして残酷な子供のまま人と触れ合うこともなく大人になってしまいました。ずっと愛し求めていたものは、ただ一人自分を美しいと言ってくれた母親だけだったのかもしれません。その偶像に縛られて、似たものをクリスティーヌの面影と声にみつけたエリック。それはひと時の生まれて初めての幸せな時間だったのかもしれません。私にはエリックがそんな時間を持って逝くことが出来たのだと思うことがせめてもの救いでした。でないとあまりにも哀しすぎます。

さて、冒頭で書いていた美しすぎる怪人。醜さゆえに愛されない、愛するクリスティーヌからも恐れられてしまう、そういう設定なのに顔を殆ど小細工していないのは興ざめだという方もあるかもしれません。でも私は宝塚はこれでいいのだと思っています。「醜い顔の体(てい)」という記号でいいと思います。私がどうもホラーなどが怖くて観られないからかもしれませんが、憬れの宝塚スタアにそのような顔の印象を持ってしまうのはいやなのです。多分プロの方の評でも賛否両論あると思いますが、私は綺麗なままの春野さんでよかったと思っています。

かつて、『ブラックジャック』を宝塚で上演した時も、安寿ミラさんのブラックジャックの顔に傷を入れるところまではしましたが、顔の一部を青くすることまではしませんでした。「トップの顔に傷」だけでも宝塚にとっては大変なことだったのです。


どんなに悲劇で終わっても、宝塚には楽しく豪華な最後にフィナーレがあります。これもまた救いです。
ずっと写真にあるようなロングヘアで通した春野さんも、フィナーレの男役だけの燕尾服でのダンスでは自毛のオールバックの短髪。こちらは胸ズキュンのセクシーさ。Kさん曰く「もう、私をどうしたいの!?って感じよ♪」こ、怖いけどホントにそう(^^;

新トップコンビお披露目のデュエットダンスもこれまた素敵。イナバウワーで一躍有名になった「トウーランドットより 誰も寝てはならぬ」で優雅に舞う二人が美しくって…。ハートが目に宿っているような桜乃彩音ちゃんのお顔と、見守るような春野寿美礼さんの頼もしいお顔に、大型コンビ誕生の予感がしました。

ラスト、DVDのための撮影カメラを意識して、カメラ目線のウィンクで私はぶっとびましたぁ〜〜。余裕ね余裕♪

『ファントム』今東京宝塚劇場で上演中です。宝塚苦手な方も是非にご覧下さい。あれだけミュージカル嫌いを公言されているタモリさんも先日観劇されたようです。

写真は娘が観に行った時に買って来てくれた『ファントム』のパンフレットと、Kさんがくれた『ファントム』ポストカードです。
最初見たときはGaktさんかと思いました(^^;
撮影は写真家の野波浩さん。宝塚にもマッチしている写真でファンになりました。
宝塚 | トラックバック(1) | コメント(2) | 2006/09/26(Tue) 15:04:24

コメント

野波浩 公式サイト
はじめまして、
ご存知かも知れませんが野波さんのサイトでメルマガを購読すると写真集には掲載されていない作品などが観れますよ

http://hiroshi-nonami.com/
【2006/09/29 00:04】 URL | jun #-[編集]
ありがとうございます♪
junさん、初めまして。
↑上でもリンクさせているサイトですね。
メルマガを購読します♪
写真集も欲しいのですが、お高くて・・・。
【2006/09/30 17:52】 URL | 榊 真央 #4eg7mJls[編集]
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オペラの怪人

殺人をきっかけに、硫酸をかけられ二眼とみられない姿になってしまったエリックは、オペラ座の地下室に逃げ込み、娘を舞台に立たせるべく「オペラ座の怪人」となり、殺人を犯してゆく…。 DVDジャンル別リアルタイム価格情報【2006/10/31 16:08】
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プロフィール

榊 真央

Author:榊 真央


趣味は「映画鑑賞」「読書」「宝塚観劇」です。12年来の『踊る大捜査線』フリークですので、観る映画や読む本もかなり偏っています(^^;かつては踊る大捜査線公式サイトの「オドログ」でブログを書いていました。
室井さんを信奉し、新城さんLOVE、そして俳優筧利夫さんに惚れてます!
香港俳優の故レスリー・チャンさんは永遠に色褪せない私の王子様。

2006年W杯後、思うところがあって、京都パープルサンガのファンクラブに入会しました。
なのに、応援しているのはガンバ大阪の加地亮選手!

『OD3』で室井さんと新城さんに会えるのを楽しみにしています・・・

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