『忍びの国』ネタバレ感想~その2~「下山平兵衛」

2017年07月12日 21:18

暑いです!今日は『忍びの国』12回目を観て来ました。

劇場の入り口にポスターが!!!
えっ、これって「忍びの国 お忍びキャンペーン」でエリア1位になった劇場だけ贈られるスぺシャルポスターではないですか?
見れば「都道府県別1位」ってなっています。私の行く映画館は確かに1位でした。見られると思っていなかったのでびっくりしました。鑑賞前にテンション上がりました。
この「無門、感謝!!」って大野くんの書だと聞いたのですが、事実かどうか未確認。でもそれならこんなに嬉しいプレゼントないですよね。私も劇場に日参してポイントを入れた甲斐がありました。

無門感謝




さて、ここから激しくネタバレ。今日は下山平兵衛について・・・。















何度泣いたことか。無門VS平兵衛の「川」のシーン。

1度目観た時にはアクションにただただ圧倒されて息をすることさえ忘れるほど。確かに監督がおっしゃったようにこれ以上長いと観客がもたない。

何度も観るうちに、ふたりの心の声が聞こえてくるようで泣けて泣けてしかたがなかった。特にBGMが途絶えてからは苦しくなるほど哀しく切なく。

「川」の初めに無門の言う「わかった、わかった」は口先だけで平兵衛の命がけの願いを本当はわかってはいない。凛の命がけの願いを軽んじた無門を見ていた平兵衛も期待はしていなかったのではないでしょうか。

でも「伊勢の者の命を助けて欲しい」と願わずにはいられなかった平兵衛。彼もまた敵は無門でないことはわかっているんです。無門も操られた哀しい下忍でしかないとわかっているし。だから十ニ家評定衆に操られて殺し合わねばならないことにやるせない思いを抱きつつも戦うしかない。しかも絶対的に無門の方が強いことも知っている。人として死ぬために「川」に挑んだのでしょう。

苦無(くない)を交わすうちに、自分より断然弱いと思っていた平兵衛が思いのほか強いことに驚いたと思います。執念が人をここまで強くするのか、なかなかやるなという思いがあの笑みになったのかな。このふたりの表情がすばらしかった。

2本とも苦無を無くし素手で無門の苦無をつかむ平兵衛。この時あたりから無門の心が変わって来たように思います。平兵衛の十二家評定衆への怒りが理解出来たあるいは伝わったように感じました。

自分の苦無と平兵衛の苦無を持つ無門。忍者刀で応戦する平兵衛。この戦いは圧巻でした。刃の当たるカチンという音と共にギリギリという刃をこするような音。日本刀での殺陣とはまた違い見ていてもっと力が入るシーンでした。私の胃の腑までがギリギリするような感覚。

平兵衛の一瞬の隙をついて無門の苦無が平兵衛の腹を横に掻っ捌きます。それも同じところを3度。そしてダンスのように軽やかにターンして両手をクロスさせて平兵衛の体を切り裂きます。このシーンは残酷なはずなのに、とても美しく何度見てもほれぼれするシーンです。最後の力を振り絞って忍者刀の鞘で無門の顔を殴る平兵衛。鞘まで使って最後まで戦う平兵衛の執念に涙が出ました。と同時に、鞘を相手に投げるということはもう刀を鞘に納めることはない、との意思表示。負けを認めたことにもなります。避けない無門。この時の表情がもう全く大野くんじゃないんです。何かを悟った、平兵衛の命がけの願いの意味がわかったそんな無門の顔でした。わかったけれど自分はお前とは違う、そんなようにも見えました。

留めを刺された平兵衛は「これで人として死ねる」と…。「わかったからもう怒るな」と無門。ここで私の何回目かの涙腺崩壊。この「わかった」は平兵衛の怒りを受け止めたということなのだと私は思いました。決して人としての心を取り戻したのではない。牢屋で平兵衛に諭された時に「わかってたまるか」(この時の顔もいい!)と言った時の「わかる」ことととは違う。まだそこまでわかってはいない。心を開放して人の心を取り戻すにはまだこのあとの最も哀しい試練を待たねばなりません。

「こいつを伊勢の地に埋めてやってくれ。かわいそうなやつだ」忍びであり上忍の家の惣領として生まれながら人としての心を捨てられなかった平兵衛を、無門はかわいそうだと言ったのでしょう(※1)。自分のように捨てられれば楽だったろうに…。人として死ぬために信雄の命乞いをした平兵衛のその願いは叶えてやろうとした無門。それと同時に、信雄の首を今はどうでもよいと思うほどに平兵衛と同じく、自分達下忍やお国を危険な目に合わせた十二家評定衆への怒りが湧いて来たのでしょう。

平楽寺に戻って十二家評定衆のひとり森田浄雲を刺し殺すのに使った苦無が平兵衛のものだと知って私はまたここで涙・・・。「わかったからもう怒るな」弟の仇は取ってやる。その答えなのではないかと…。

この無門と平兵衛のシーンには3日間掛けたのだそうです。暑い中での接近戦は大変な緊張があったと思います。実際昨年の今頃のバラエティでは、大野くんが手に小さな絆創膏を貼っていたりしてファンは心配したものでした。スタントマンもほぼ無し、早送りの撮影ではなく逆に早過ぎるからゆっくりと言われるほど。ふたりの表情を見たら「保険(多分台詞で補うこと?」も理屈付けもいらなかったと中村監督がインタビューで言ってらしたように(買った雑誌が多すぎてちょっと出典がわからず。探します※2)ふたりの気持ちははっきりと観る者の胸に刻まれました。説明台詞を排除して、ただただふたりの演技だけで見せた凝縮された数分間。大げさではなく日本映画史に残る名シーンとなったと思います。

熱く、あまりにも熱く語ってしまいました(^^;

※1  これを書いた翌日に鈴木亮平さんがツイッターでこのように述べておられます。



※2  ありました!やはり映画のパンフレット。
川がうまくいかない場合の保険のセリフは、あちこちにちりばめていたんですが、川のシーンがうまく成立したので、そのセリフは編集で切りました。
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